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あめふら

Author:あめふら
二次創作のお話を書いたり、書かなかったり。
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pixivで描いた漫画をまとめました。


『OVERCOLL2』 とらのあな
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作ったものを売っています。


『レジンフィギュア・物部ハト』

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香霖堂奇譚 第八話  桜神(後編)
桜神(中編)の続きです。未読の方は先に前編をお読み下さい。


「今晩は。お待ちしておりました」
 霖之助は蝶の傍へ歩み寄って、慇懃に上座へと招いた。蝶は何匹もの小さな蝶を生みだしては消しながら、滑るように毛氈の上に止まった。
「ええ。お蔭様で恙無く。しかし驚きました。今年はもういらっしゃらないものかと」
 霖之助は親しげに蝶に話しかける。若干緊張はしているものの、蝶の姿を借りた彼女の訪問を喜んでいるらしい。
 彼女?
 慧音は目を細めてはぎゅっと閉じたり、はたまた大きく開いてみたりして、必死にその蝶に女の姿を見ようとした。しかし見えない。どう見ても目の前にいる生き物は蝶にしか見えない。神秘的ではあるけれど、虫以上の像は結ばない。
「ああ、彼女ですか。いえ違います。何分手が足りなかったもので支度を手伝って貰ったんです」
 霖之助は慧音に向かって手を翳し、挨拶か何かを促すように視線を送った。そんな合図を送られてもどうすればいいのか解らない。
「ええと、霖之助?」
 慧音は助けを求めるように小声で呼びかけた。霖之助は不思議そうな顔をして慧音を見、次いで蝶を見てからまた慧音を見た。
「すみません。ちょっと……」
 と一言断ってから慧音の傍へにじり寄り、顔を近づけて聞き取れるか聞き取れないかの瀬戸際の小声で言った。
「もしかして、見えない?」
「ああ。光っている蝶にしか……」
「声も?」
「聞こえない……。あのさ霖之助、本当にそこに女の人がいるんだよな?」
「いるとも。とりあえず、君のことを誰だって訊かれたから、自己紹介してくれないか?」
「ああ、うん……。初めまして。上白沢慧音と言います。人里で寺子屋の師範をしています。お目にかかりまして光栄です……」
 慧音は蝶に向かって深々と頭を下げた。妙な気分だ。虫に向かって何を大真面目に回答しているのだろう。
「……これでいいのか?」
「ああ」
 霖之助はほっとした表情で蝶に向き直る。まあ彼がいいと言うのだからいいのだろう。
「ええ、そのようです。いえ、そうではないと思いますよ」
 霖之助がまた何事か聞こえない会話を交わす。すると蝶は俄かに飛び上がって滑空しながら近づき、慧音の目の前で静止した。そのまま鼻先に止まられるのかと思った。咄嗟に払いのけかけた手を辛うじて間に合った理性が止める。危ない。蝶の形をしているけれどこれは蝶ではないのだ。
「な、何でしょうか?」
 言いながら思わず身構える。蝶は慧音の顔を舐め回すように、ゆったりと羽ばたいている。ほんの僅かに巻き起こる風から蕩けるように甘い香りがする。瑞々しい桃の肌を撫でまわすような色艶がある。それはただ甘いだけでは無く気品に溢れたものだったが、あまり居心地がいいとは言えなかった。只でさえ大きな蝶だ。この至近距離で捉えるとかなりの迫力がある。おまけに光っているから眩しくて仕方が無い。
 とはいえここで思い切り目を閉じるのも失礼に当たりそうだ。慧音は首をすくめながら、どうしようも無く蝶を眺め続けた。
「霊感が全く無いのかなって不思議がっているんだよ」
 霖之助が言った。
「へ、へえ……そう……」
 ということは霊感があれば姿が見えると言う事だ。これでも半分神秘に足を突っ込んでいる身の上なのだが、それでは足りないのだろうかと少し不思議に思う。
「ちなみに額を摺り合わせるくらいに顔を近づけているんだけれど、やっぱり解らないか?」
「近いってのは解るけれど……」
 やがて蝶は満足したように顔の前から離れた。慧音は安堵の息を吐く。そして彼女の化体が蝶であったことに感謝した。これが例えば百足のような生理的嫌悪を掻き立てる虫であれば、あの近距離に留め続けるのは難しかったかもしれない。
「ええ、そうです」
 霖之助は蝶に頷いてから、こちらを振り返る。
「君にはとても強い守護が付いているから、それが本能的に君を死から守ろうとしているんじゃないかってさ」
「それって、白澤のことを言っているのか?」
「だと思う」
「だから私には、蝶にしか見えない?」
「かもしれない」
「はあ」
「珍しがっているよ」
「そりゃあそうだろうな」
 珍しいに決まっている。聖獣の能力を受け継いだ人間なんて私以外には聞いた事が無い。
「ええ、そうですね。ああ、はい。二人で用意しました。どうぞ味が変わらない内に。ああ、有難うございます」
 霖之助は蝶に向かって食事を勧めた。改めて思うと、何だろうかこの光景は。大の大人が一匹の蝶に平伏している。ただの蝶でないと解っていても滑稽に見える。霖之助が一人芝居をしているように見えてしまう。
「僕らにも食べなさいって」
「あ、ああ、うん。解った」
 霖之助に言われて慧音も箸を取った。
「それじゃあ、頂きます」
「僕も頂きます。酒を? もちろんありますよ。どうぞ」
 言いながら霖之助は蝶の目の前の盃に瓶子の酒を注ぐ。
「ああ、有難うございます」
 何が有難うなのだろう。と、いつの間にか霖之助の盃に酒が注がれているのに気が付いて慧音は目を丸くする。見えないが、お酌でもされたのだろうか。
「君は?」
 霖之助は瓶子を掲げて言う。
「ええと、じゃあ、少しだけ」
 ここで勧められた酒を断るのは、多分失礼なのだろう。慧音は手元の盃を掲げ、霖之助からなみなみと酒を注がれた。彼に酌をされたのは初めてだ。こういう席だと、もしかするとと私が酌をしなければならない立ち位置にいるのかもしれない。よく解らない。解らないまま、誤魔化すようにそっと盃に口を付けて酒を飲み込む。ふと隣を見ると、霖之助が盃を半端に持ち上げたまま口も付けずに止まっていた。
「飲まないのか?」
「桜が盃に浮かぶのを待っているんだよ」
「え」
 慧音は咄嗟に蝶の方を見やる。そういえばとても高貴な女の人だと言っていた。こういう雅やかな仕草を好む人なのかもしれない。酒を注がれるや何も考えず直ぐに飲み干した自分がとても恥ずかしくなった。顔がみるみる赤くなる。
「もしかして酒に弱いのか?」
 赤さに気付いた霖之助が訊ねる。慧音は適当な笑いで誤魔化した。そして重箱に箸を伸ばすと、既に一段空になっていた。目を疑う。いつの間にどこへ消えた?
 霖之助は相変わらず見えない誰かと話をしている。楽しそうだ。一体どんな女の人なのだろうか。やはり蝶のように可憐な人なのだろうか。
「美味しいってさ」
「あ、ありがとうございます……」
 慧音はとりあえず頭を下げた。そう言われても実感が無い。そして気が付くとまた皿が一つ空になっていた。どうなっているんだ。

 不思議な一方通行の会話を続ける内に、あれほど時間をかけて作った料理もまるで異次元に飲まれるように消えていった。
 慧音は途中で考えを放棄して、蝶のことは霖之助に任せ、自分は自分なりに花見を楽しむことに決めた。黙っていればいい環境である。毛氈の赤と桜の白と夜の黒が混然一体となって目を楽しませる。沢山の料理があり、酒もある。下品な喧騒は無く、囁くような森の調べが聞こえる。天気もいい。昼の日溜まりが十分な気温を確保し、夜の帳が適度な爽やかさを与える。
 今までで一番豪華な花見かもしれない。必死になって料理した甲斐があったというものだ。この風景を味わえるならば、十分に報われる。香霖堂は素晴らしい花見の穴場だ。連れ出してくれた霖之助に感謝してもいいと思えた。
 慧音はうっとりとして桜を見上げた。綺麗な桜である。満開の花は灯に照らされて橙色に赤い。この桜はいつからここにあるのだろうとぼんやり思った。見事な枝ぶりだから決して若い樹では無い。そんな桜がどうしてここに一本だけあるのだろう。周囲をざっと見渡してみても森の中に桜は無い。とすると自然に生えてきたものでは無くて、もしかすると霖之助が自分で植えたのかもしれない。
「なあ霖之助、この桜ってさ」
 彼に真相を訊ねてみようと顔を戻したとき、霖之助の表情が硬く強張っていることに気が付いた。
 慧音は驚いて、理由を探ろうと不自然に周囲を見回す。何も変わったところは無い。相変わらず大きな蝶と、空になった食器が並んでいるだけだ。なぜ彼は険しい表情をしているのだろう。まさか聞こえない会話の中で喧嘩でもしていたのだろうか。それはまずい。何せ相手は死なのだから。先程までの穏やかな気持ちはすっかり消え失せてしまった。肌を冷たくするような静かな緊張に包まれる。
「慧音、こっちに来る途中に、霧雨商店の息子に会わなかったかい?」
 霖之助は深刻な声で全く意外なことを言った。
「……ああ、会った」
 慧音はとりあえず頷く。
「あの折鶴の子にも?」
「会ったけれど……どうしてお前がそれを?」
「今すぐ引き返して二人を探してきてくれ」
 静かだが頑なな声だ。そして慧音が疑問を挟む間も無く続ける。
「とにかく急いでくれ。そして二人の体をここに持ってくるんだ。早く」
「あ、ああ」
 訳の解らないまま、慧音は追立てられるように立ち上がった。急に何だ? 蝶との間に何が起こったのだろう? なぜここで二人の子供が話題に出てくるのだろう? 事情がさっぱり呑み込めない。しかし何か重大な出来事が起こっているのは解る。靴を履きがてらふと蝶の方を見ると、その背後に一回り小さな蝶が二匹浮かんでいるのが見えた。
 小さな蝶?
 小さな魂?
 ……子供二人?
 その瞬間全てを悟った慧音は過去最高の速度で里へ向けて飛び出して行った。

 慧音の姿が見えなくなった後、残った霖之助は溜息を吐きながら女と向かい合った。
「まあ、森の中で延々迷うよりはましですけれど。もうちょっと穏便にはなりませんでした?」
「だって、可哀想だったのよ。女の子なんてベソかいちゃって、うるうるな目になってたのよ」
 桜色の髪をした女は、のんびりと足を崩しながらいじらしい声で言った。桜模様の染められた着物から向こう側が透ける程白い肌を覗かせる。その肌を酒気で仄かに赤く染めて、静かな熱に潤んだ瞳が何とも言えず色っぽい。
「ひとまず預かりますよ」
「はい。どうぞ」
 と、女の指から霖之助の手の中に二匹の蝶が飛び移った。霖之助は金平糖を入れていた小さな籠をひっくり返して、その中へ蝶を閉じ込めた。
「体ごと運んでくれれば楽だったんですがね」
「嫌あよ。重いもん」
 と女は屈託無く笑う。霖之助も釣られて笑みを浮かべた。そして空になった女の盃に酒を注ぎ、女も膝を摺り寄せて霖之助の盃に酒を注いだ。女は嬉しそうに盃を仰ぐと、その柔らかな唇を縁に付けて、どきりとするような嫋やかな仕草で指を傾けた。
 霖之助はその様子を眺めながら、彼女にはどんな堅牢な城も傾くだろうなと思った。濃厚な蜜のような肢体は、まるで男の欲情を掻き立てることに特化して育てられたかのようだが、しかしこの女の凄い所は、それらの動作を全くの無自覚でやっていることなのだ。良くも悪くも現実離れした天性の毒婦だ。まったく、罪な人だと思った。
 霖之助も男である。こういう色気のある仕草に心が揺らぐこともある。正直に言うと、体を重ねたいと思ったことも何度かある。しかしそれを実行に移す程霖之助も馬鹿では無い。相手は人の形をした死なのだ。死と交わったらどんな英雄でも死ぬしかなくなる。それが結局、互いが清らかな交際を続ける箍になっている。
「でもびっくりしたわ。女の娘がいるんだもの。上白沢さんと言ったかしら」
 盃にまだ酒を半分残したまま、女が言った。
「お料理上手な娘なのね」
「ええ」
「まったく、私と言うものがありながら、他の女に現を抜かすなんていけない人ですねえ」
 女は口元を隠しながらくすくすと笑った。霖之助は弱り切って肩を落とす。解っていてもこういう仕草が危ないのだ。
「からかわないで下さいよ」
「だって驚いたんだもん。半獣だっていうし、とうとう伴侶を見つけたのかと思っちゃった」
「そのつもりは無いんですけれどね」
「あら、そうなの?」
 女は意外そうに目を丸くした。
「そうですよ。それに半獣と言っても彼女は全然人間の範疇じゃないですか」
「えー、冷たーい。彼女泣いちゃうわよ?」
「泣きませんよ」
 霖之助は溜息を吐いた。
「仮に僕が彼女の立場だったら、決して僕を結婚相手には選びませんから」
「もう、そういうことを言っているからいつまでも一人ぼっちなのよ?」
 女は少し呆れた口調で、まるで霖之助の姉でもあるかのように言い聞かせた。霖之助は誤魔化すように笑いながら、
「好きでやっているんですよ」
 と答えた。

  ◇

 森の中を獣がひた走る。香霖堂を飛び出してまず里へ戻った慧音は、少年と少女がまだ家に帰っていないことを両親に会って確かめた。その後即座に森へ立ち帰り自身の能力を使って過去の追跡を開始した。
 その結果に慧音の焦りは増長する。森の入り口で振り切ったつもりだったが、二人の子供は私の後を追って来ていたのだ。
 認識が甘かった。走りながら慧音は、どうして私はそれに気が付かなかったのだろうと臍を噛んだ。確かにあの時私は急いでいた。柄にもなく追い込まれた様子の霖之助にいくらか気を取られていた。けれども二人を家に送り届けるくらいの時間はあったのではないか? どうして私は二人を最後まで見届けなかったのだろう。いくら言葉で聞かせたとはいえ、子供たちはいつでも素直とは限らない。私にはあらゆる可能性を考慮してちゃんと監督する責任があったのだ。そもそも里の外れにまで付いて来た時点で、その先の危険を察知するべきだったのだ。
 甘かった、と慧音は繰り返す。今更それを考えても仕方が無い。それは何の言い訳にもならないのだ。また決して自分だけに非があるのではない。子供たち自身にも認識の甘さはあった筈だ。しかしそれが何の言い訳になるだろう。結局のところ私は、子供たちの安全よりも自分の都合を優先してしまったのだ。

 星の明かりすら届かない魔窟のような森の中を慧音はひたすらに走った。脇目も振らず、息切れも気にせず、足が縺れても速度は緩めない。半獣でなければ心臓が破れているかもしれない。自分の目にしか映らない過去の幻影を追いかける。こんな暗い森の中を彷徨うことは、幼い二人にとってどれだけ心細いことだろうか。大人でだって怖いのだ。魔窟と言うのは冗談ではない。まさしく森は人の住む領域では無いのだ。迷い込んだ子供なんて餌食でしかない。森に潜む者ではなく、森そのものに喰われてしまうのだ。
 やがて見つけた子供たちも、まさに緑に呑まれたように草の上に倒れ伏していた。
 慧音は息を激しく切らしながら、咄嗟に立ち止まることが出来ずに転んだ。狂ったように跳ね回る心臓を無理矢理押さえつけ、膝を折って二人を抱き起こした。
 抱き起すまでもない。一目見た瞬間からそれが死体であることは明らかだった。少年も少女も、見た目はただ眠っているように目を閉じている。しかしその肌にはあるはずの温度が無く、骨も筋肉も関節も重力に沿ってだらりと下げられたまま動かない。その体からはあらゆる生命の名残が抜き取られている。ここにあるものはただの抜け殻だ。
 思わず昼間の二人の姿が目に浮かぶ。温かい日の下で二人とも元気に動き回っていた。腕の中のこれからはあまりにも掛け離れていた。同じ形をした命の残骸がここにあり、しかしそれが間違いなく私の教え子だ。
 死んでいる。
 二人とも死んでいる。
 私の教え子が死んでいる。
 現実逃避をしたくなった。けれども二人を確認するあらゆる感覚の情報が、覆しがたい死という現実を突きつける。
 なんでこんなことになっているんだろう?
 心に黒い砲弾を撃ち込まれたみたいだ。その瞬間、背筋を貫いていた心の芯が霜柱みたいに折れた。海が枯れたように血の気が引いて、涙が無意識にぼろぼろと零れた。止めようと思っても止められない。二人を抱える手ががたがたと震えた。駄目だ、止まらない。呼吸はますます乱れ、最早自分が息をしているのかどうかも解らない。
「ごめんね……ごめんね……!」
 ほとんど咽び泣くような声で二人を抱きしめる。もちろん何の反応も返ってこない。それが余計に慧音の後悔を煽った。あんなに元気に走り回っていた子が、どうして今はこんなに動かないんだろう。何でこんなことになってしまったんだろう。どうしてこんな淋しい森の中に置き去りにしてしまったのだろう。もういっそこのまま私も眠りたい。喪失感が空けて行った穴に魂を抜かれてしまったみたいだ。
 そんな自分がいる一方で、冷静な自分が頻りに激を飛ばしている。
 泣いている場合じゃないだろう。あの蝶を見た段階でこの展開は十分予見していたじゃないか。二人は森の中で死と出会ってしまったのだ。けれども、出会った相手がまだ香霖堂にいる。だからまだ取り返せる。この二人は完全に死んだわけじゃない。そうだ、羅宇助さんの時と同じだ。しかも今の香霖堂には魂の支配者が来ている。霖之助だって反魂術の心得がある。間に合わない訳が無い。香霖堂に着けば二人は助かる。だから急げ。泣いている暇はない。ぐずぐずしている時間が惜しい。一秒でも早く二人を担いで香霖堂に戻らなければならない。解決する方法は有るんだ。泣くな! 走れ!

 慧音は頬をぴしゃりと打って涙を拭い、気力を振り絞って立ち上がった。疲労した体が負荷をかけられて悲鳴を上げるが構っていられない。二人の子供を無理矢理前後に抱えると、香霖堂を目指して再び夜の森を駆け出した。

  ◇

「霖之助!」
 香霖堂に戻って来た慧音は、霖之助の待つ桜の下へ半ば倒れるようにして飛び込んだ。
「お帰り。ご苦労様」
 既に宴はお開きになったのか、主賓の蝶は居らず、あれほどあった料理も残らず平らげられた後だった。
「霖之助、早く……お願い! 二人を助けて!」
 息も整わぬ内に、必死に二人の子供たちの亡骸を提示して訴える。悠然としてすらいる霖之助とは対象に、慧音は悲しいやら悔しいやら苦しいやら痛いやら疲れたやら様々な感情の奔流に飲まれて何とも言えぬ表情を浮かべている。破裂寸前のガラス玉のようで、少しの刺激で砕けかねない。或いは声を上げることも叶わずただただ泣いているのかもしれない。
 霖之助は意図して優しく慧音の肩を叩き、穏やかな声で言い聞かせた。
「大丈夫だ。君は十分間に合った。だから落ち着いてくれ。な?」
 慧音はただこくこくと頷いて、泣き崩れそうな顔を無理矢理深呼吸で締め上げた。疲れ果てた両足を引き摺り腕の力だけで子供たちの下へ這い寄って、酷使された筋肉の震える手で無造作に投げ出された二人の手足を丁寧に揃えてやった。
 死体の傍らに霖之助も腰を下ろした。そして逆さに伏せていた手元の子籠を開け、中から二匹の小さな蝶を取り出す。
 慧音は息を呑んで彼の挙動を見守った。彼の動作は極めて冷静だった。場所こそ花見の席だが、これは間違いなく儀式だった。桜も、森も、燈台の火でさえ声を潜めて、神妙にその行く末を見守っているように思えた。
「……反魂香は?」
 慧音が訊ねる。
「必要無い。この子たちは自然に魂が離れていったんじゃなくて、強制的に引き剥がされた状態だ。互いに引き合う磁石の極さ。だから近づけるだけでいい」
 言い終えると、霖之助は二匹の蝶を少年と少女それぞれの胸の上に止まらせた。少しの間ぱたぱたと翅を動かしていた蝶は、やがて足元から融けていくように二人の体に飲み込まれていった。慧音は目を見張りながらも掌を強く握りしめて、子供たちのどんな小さな反応も見逃すまいと神経を集中した。
 しばらくは何も起こらなかった。
 それはとても長い時間のように思えた。激しい集中は慧音から一時的に聴覚すら奪った。その穴埋めをするように耳は慧音の心の声を迷惑なほど繊細に拾い取る。霖之助の「大丈夫」と言う台詞を繰り返し繰り返し呟いては蜘蛛の糸に縋るように信じ、しかしその反対では永遠に黒い穴の底のような悲劇の囁きが絶えず響いている。
 もし、万が一、私の行動が手遅れで、彼の言葉がただの気休めだったら。二人が目覚めなかったら、私はどうすればいいだろうか。もしもあの蝶が命を戻すことも無く、ただ溶けて消えてしまったのだとしたら。戻ったとしても後に障害が残ったとしたら。私はどう償えばいいのだろう。
 失う前から何を不吉なことを、と思う。しかしその可能性が完全に無い訳でもない。世界に完全は無い。やがて命はなくなる。生から死への移行はあっても、死から生への移行は基本的に無い。その喪失の恐怖が前倒しに肩に圧し掛かっている。この一日の出来事が全て桜の見せた幻影であればどれほどよかっただろう。実際そのような気もする。もちろんそんな筈はない。単純に現実を信じたくない気持ちがあるだけだ。
 舞い落ちる桜の花弁が、焦らすようにゆっくりと目の前を通過していった。慧音はその花弁の筋の一つ一つを数えることすら出来た。

 六十枚目の花弁が長い秋の夜のような一瞬を過ぎて毛氈の上に落ちたと同時に、貝のように頑なだった子供たちが俄かに瞼を開けた。細く開けた眼界で周囲の状況を探ろうと頭を傾け、
「……は!?」
 まず霧雨少年が飛び起きた。
「……な、いや……なんだ? 俺、どうして……」
 少年は目を見開き、霖之助にも慧音にも気付かずに手を鏡のように広げては握る。
 続けて少女も息を吹き返し、細い月のような寝惚け眼で満開の桜を眺めた。
「……あ、れ? ここ……?」
 二人が体を起こしたのを見計らって、霖之助はやれやれと息をついた。そして、ほらね、と言う代わりに慧音を振り返ると、糸の切れた慧音は顔を崩して号泣していた。
「良かった……良かったあ! 本当に良かったああ!」
 叫びながら二人の間に飛び込んで両手で抱きしめる。急に抱きしめられた少年は一気に覚醒して、顔を赤くしながらしどろもどろになった。
「え! 先生? ってことは……うわ! 銀髪眼鏡!」
「うえええん! 先生ー!」
 少女は今までの不安や恐怖を全て吐き出すように慧音と少年にびったり縋り付いて、慧音と一緒になって堰を切ったように泣いていた。
 霖之助はその光景を少し呆気に取られたように眺めながら、やがてうるさそうに笑みを浮かべて、瓶子に残った最後の酒を盃に注ぎ、舞い落ちる桜の一片を捕まえて飲み干した。

  ◇

 その後、とにかく子供たちを里に連れ帰るのが先だ、という霖之助の提言をそのまま受けて、慧音は目覚めるような冷たい水で泣きはらした目を洗い、しっかりとした足取りで二人の手を引いてそれぞれの親元へと連れ帰った。
 里ではすっかり迷子の話は広まっており、皆子供たちの安否を心配していたが、迷子探しの達人である慧音が逸早く動いたため大騒ぎには至らず、少年少女がそれぞれの両親にこっぴどく叱られる、という程度で一先ずの幕を下ろした。

 全てが終わった後、慧音は急激に襲ってきた安心感と疲労感の両方に逃げ場も無く挟み撃ちにされた。思えば今日は午後から大騒ぎだった。あんなに沢山料理を作って、こんなに走って、こんなに飛んで、こんなに泣いたのは初めてだ。
 慧音は幽鬼のような足取りでふらふらと家に帰ると、歯も磨かずに雑に敷いた布団に倒れて眠った。

 夢の中で慧音は揺れ動く赤い座席に一人で座っていた。直方体の箱のような部屋が、丸ごとがたりがたりと振動している。等間隔に吊り下げられたランプが、敷き詰められた毛足の短い赤い絨毯をより赤く照らしている。
 慧音はしばらくぼんやりとして、対面の窓硝子に映る自分の顔をじっと見ていた。平らな硝子では無いのか、映った顔は実際よりもずっと疲れて見えた。
 何時間もそうして自分の顔を眺めていると、やがてその顔は自分の顔では無く、純白の毛に覆われた獣の姿に変わった。
「怖ろしいか」
 と獣は言った。
「怖いです」
 と慧音は答えた。
「哀しいか」
 と獣は言った。
「哀しいです」
 と慧音は答えた。
「だが避けられぬ」
 と獣は言った。
「解っています」
 と慧音は答えた。
 それからまた長い沈黙を挟んで、再び獣は言った。
「歴史は全ての人間を紙面の上に押し潰す。お前の眼はその為の眼だ。命を俯瞰する天の眼だ。その眼を持つお前は人では無い」
「解っています」
「それでも恐れるか。死別を。それでも悲しむか。離別を」
「はい」
「歴史には心は無い」
 慧音は俯いて押し黙った。
「でも、私には、心があります」
 獣はしばらく慧音の顔を眺めた後、嬉しそうな目をして言った。
「そうだ。故に私は人を愛する。お前を愛する。優しい者よ。死を怖れよ。涙の意味を忘れるな」
 慧音は顔を上げ、強く頷いた。
「私は嬉しい」
 獣はとても優しい声で言った。

 その声をまだ耳に残したまま、慧音は目を覚ました。体の髄まで溜まっていた筈の疲れは一滴も残らず消えていた。不思議な気分だった。元気付けられたのだろうか。
 慧音は手を杖にして上体を起こし、枕元の時計を確認した。既に夜は開けている。

  ◇

 日が高く昇ったころ、霧雨少年が一人で香霖堂にやってきた。
「ほらよ」
 と、少年はカウンターの上へぶっきら棒に酒瓶を叩つける。読書に没頭していた霖之助は物音に目を向けると、いかにも珍しそうな顔で少年をじろじろと眺めた。
「これは?」
「昨日の礼だ。受け取れよ? ちゃんと俺の小遣いで買ったんだからな。受け取って貰わねえと気が済まねえ」
「そうか。それじゃあ有難く頂戴するよ」
 霖之助はラベルを確認して、それが思いがけず上等な酒であると解ると露骨に嬉しそうに瓶を仕舞った。それから改めて少年に向き直り、訊ねる。
「寺子屋は?」
「一日くらいサボったって変わりやしねえよ」
「そうだね」
「先生だってくたくただろうしな」
「かもしれない。あの子は?」
「別に。普通だったよ」
 少年はカウンターを離れると、入り口付近に無造作に置かれた壺を見つけてどっかりと腰を下ろした。
「それは椅子じゃないんだがな」
「椅子なんて無えじゃねえか」
 少年は霖之助を睨みつける。
「訊きたいことがある」
「何だい?」
「俺は昨日死んだよな?」
「ああ」
「あいつも」
「そうだね」
「そうかよ」
 霧雨少年は溜息交じりに呟いた。
「で、お前に蘇生させられたってわけだ」
「まあね」
 霖之助は事も無げに答えた。少年は長い間霖之助のことを黙って睨み続けていた。そしてふてくされたような声でぽつりと言った。
「ありがとう。助かったぜ。霖之助」
「どういたしまして。君も里の大人たちが森を禁忌とする理由が身に染みて解っただろう」
「何だよ、説教かよ。間に合ってるぜ」
「僕だってあえて言うつもりは無いさ」
「そりゃどーも」
 そこから再び沈黙を挟む。
「俺はよ、お前が気に喰わない。先生がお前に良いように扱われている気がする。先生がいつか悲しい思いをするような気がする。だから先生を追いかけて森に入った。あ、勘違いするんじゃねえぞ? 別にお前に責任を押し付けようってんじゃ無いからな。森に入ったのは俺の責任だ。あいつを付いてこさせちまったのも俺の責任だ。俺のもん取るんじゃねえぞ」
「解っているよ」
「で、あの女に会った」
 霧雨少年は吐き捨てるように言った。
「そこから先は朧気だ。気が付いたらそこの桜の下に居て、意識がはっきりしたと思ったら先生が泣きじゃくってた」
「随分長いこと泣いていたよな。それだけ君たちが大切だったんだろう」
「うるせえよ。知ってんだよそんなこと。先生の優しさは天井知らずだ馬鹿」
 言った後で少年は大きな溜息を吐いた。霖之助はどこ吹く風といった表情で次の言葉を待っている。
「あの女は何だ?」
「死だよ」
「やっぱりそうかよ」
 霧雨少年は震えを噛みつぶすように俯いた。
「怖かったかい?」
 霖之助が訊ねる。
「怖えよ。怖いに決まってるだろ」
 少年は俯いたまま答える。
「でもな、俺が一番怖いと思ったのは、あの女を怖がらなかったことなんだ。目の前であいつが訳の解らない内に死んでいて、自分もすぐそうなるって解っていたのに、なのに、俺はあの女のことを、ただ綺麗だと思っていたんだ。本当に綺麗だと思ったんだ。こんな綺麗な人に殺されるなら、死ぬのもまんざら悪くないなって思ったんだ。それが、それがよ……怖くて仕方がねえんだよ!」
 霧雨少年は目に涙を浮かべながら叫んだ。
「俺は……人だぞ! お前みたいに魔法は使えないし、先生みたいに凄い能力も持っていない! 巫女みたいに強くもない! ただの、本当にただの人なんだ! なのに俺は、死ぬことを怖いと思わなかった! 思えなくなっちまった! 何でだよ! 俺は生きているんだぞ! 何で死はあんなに綺麗なんだよ!」
 少年は八つ当たりに近くの本棚を叩いた。不安定に平積みにされていた本がどさどさと床に落ちた。
 霖之助は黙って立ち上がり、その本を拾ってまたカウンターに戻った。
「霧雨商店はな、人以上の力を生み出す道具は売り物にしないんだ」
 少年が言った。
「例えば自由に雨を降らせる道具なんてものが手に入っても、絶対に売りに出さない。それは確かに便利だけれど、人の関わっていい領域じゃないからだ。人には限界がある。だから人は人を対等に見ることが出来る。俺は親父にそう教わったし、それは正しいって信じている。だから、その括りを軽く跳び越える魔法とかは大嫌いだ。魔法は現象を捻じ曲げて結果を変える。魔法使いは選民になる。同じ高さの人じゃなくなる。もう人の中では生きられなくなる。俺はそうはなりたくないんだ。俺は自由に空を飛び回りたいとは思わない。俺は過去を覗けるようになりたいとは思わない。俺は破壊光線を撃てるようになりたいとは思わない。俺はいつまでも人として生きて、人の限界を超えずにやるだけやって死にたいんだ。俺の家の人たちはそうやって、いつでも現実を愛して生きてきた」
「そうか」
 霧雨少年はしばらく口を閉ざしていた。歯を食いしばって、必死に泣き出すのを堪えているようにも見えた。
「……何かを失くした気がするんだ。何がって言われても解らねえ。でも昨日までの俺じゃなくなってしまった」
 少年の告白は、香霖堂の空気の中で優しく反響して消えた。
「人は誰でも死にたがっている」
 霖之助は優しく言った。霧雨少年は力無く顔を持ち上げる。
「だから抵抗するんだろうがよ。でも、もう俺には出来る気がしないんだ。いつでも簡単に死を受け入れる」
「死を知ることは悪いことじゃないさ」
「良いことでも無いだろ。俺は知りたくなかった」
 すると霖之助は困ったように首を傾げた。
「じゃあ、君は甦らせない方が良かったのか?」
「んなわけ無えだろ馬鹿が!」
 少年が吠えると、霖之助は肩を竦めて笑った。
「ちゃんと恐れているじゃないか。死が怖くないというのなら、死に付随する様々な損失を怖れればいい。例えばあの折鶴の子が死んだ時、君は悲しかっただろう。悔しかっただろう。そういう痛みを怖れればいい。確かに死は通常人には知り得ない知識だ。そういう点では君も人以上の知恵を抱いた魔術師の世界に足を踏み入れつつある。けれど、君は人間だ。半妖の僕が保障する。人間以外であるものか。羨ましいくらいにそうだ」
 霧雨少年は黙って霖之助の目を見つめた後、鼻を鳴らして悔しそうに顔を逸らした。霖之助はやれやれと目を閉じた。
「君に一つ教えておこうかな」
「何だよ」
「慧音には言ったんだけれどさ。君と一緒にいたあの女の子、彼女には実は魔女の素質がある」
 霖之助はカウンターの上で腕を組みながら、少年の反応を試すように言った。少年は驚いて目を見張った後、感情のやり場に迷った挙句、不機嫌な様子を作って答えた。
「……なんだよそれ」
「勉強させればきっといい魔法使いになるだろうね。昨日の死の体験で、きっと魔力も著しく上がった筈だ。とすると、君はあの子を嫌いになるんだろうな。可哀想に」
 霧雨少年はおもむろに壺から飛び降り、つかつかとカウンターに歩み寄って板面を叩いた。
「喧嘩売ってんのか?」
「違う。そういう子もいるってことを覚えていてほしい。初めから高さが違う人もいる。彼女は望んで魔力を持っている訳じゃない。どうしようも無いんだ。親を選べないのと同じだ。罪は無いんだ。ただ持って生まれたというだけだ。捨てることも出来ないんだ。そういう人たちは、本当に人の中では生きていけないのかな?」
「違うって言いたいのか?」
「いいや。結論から言うと生きていけない。君の言う通りだ。同じ高さに立てないんだ。僕達は差別される。僕達は区別される。そうやって自然に生きているんだ。けれどそれは、まだ人と同じ高さで生きていた頃の記憶を持つ者にとっては苦痛だと思う。だから慧音は未だに人の中で暮らしている。そして君たちは、驚くことにそれを認めている」
 霖之助はとてつもなく懐かしそうな顔で微笑んだ。
「君は人を保てるだろうか。君は君を愛する人を、同じ人として扱うことが出来るだろうか。守れるのだろうか。甘い死出の誘蛾灯は常に灯っている。魔法の森はすぐ隣で人を待っている。楽園の真中の樹で毒蛇は人をそそのかす。君はどこまで人でいられるだろうか。君はいつまで無垢でいられるだろうか。この魔窟で。この幻想郷で。死すら覚えた君が。誰も魔に落とさずに、果たして生きていけるだろうか」
 香霖堂は深く静まり返っていた。窓からは昨日と同じような春の日差しが射し込み、空気の中の塵を白く照らしていた。
 霧雨少年は霖之助の目を真っ直ぐに見つめた。
「うるせえよ。言われるまでもない」

 香霖堂を出た後、霧雨少年はふと思いたって傍らの桜の木を眺めた。
 昨日は夜だったし、状況が状況だったため、碌に花を眺めることも無かった。明るい所で見れば、なるほどいい桜だ。花が散りきらぬ内に、先生や少女を誘って花見のやり直しでもしようかなと思った。
 ここの桜は、里のそれに比べると少しだけ白い。




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                               終   20130413
                             (20131002 加筆修正)
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香霖堂奇譚 | 【2014-03-15(Sat) 00:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(6)
コメント

いつも楽しみに見てます
2013-10-04 金 23:47:25 | URL | #- [ 編集]

お嬢様が強すぎる
2013-10-05 土 12:37:54 | URL | #M6B49AbY [ 編集]

あめふらさんの小説、とても面白いです。シリーズ通して何度も読み返してしまいます。
2013-10-07 月 03:25:03 | URL | #- [ 編集]

更新来てたー

凄く面白いです、それも回を増すごとにクオリティ上がっているという…

2013-10-16 水 20:50:18 | URL | #- [ 編集]

おもしろかったです
次回も楽しみにしてます
今後、霖之助と慧音の関係がどのように進展していくのか気になりますね
2013-11-06 水 00:01:40 | URL | #vTY6HFxA [ 編集]

いろいろ惜しいところもあるけど
丁寧な作りの話ですね。面白かったです
そういえばこの謎のお嬢様()が初めてなのかな
このシリーズでの、こーりんとけーね以外の原作キャラって
2014-01-08 水 00:29:45 | URL | #pSJ6Fihk [ 編集]
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